どうも、Castella (カステラ女王様 @Rainha_Castella )です。普段は医師免許持ってることも忘れて、Twitter とYouTubeにまみれた、優雅で怠惰な隠居生活を送っています。
私が医学部卒業した旧石器時代には、国試合格から2週間とかで先輩から回ってきた残りカスバイトに無理やり行かされてたんですが、2004年から研修医はバイトに行っちゃいけないそうですね。
でも、研修医がバイトに行けなくなってから15年も経つのに、医局からの割振以外での探し方が分からない若い先生もいらっしゃる(!)ことを、お問い合わせで知りびっくり(お問い合わせくださった先生方ありがとうございます)。
医局経由じゃなくても、バイト探すのは簡単ですよ。掴め! ほどほどに美味しいバイト!
目次でサクッと把握
バイトの探し方は基本2つしかない
身も蓋もないんですけど、基本、コネとネット、2つしかありません。
王道(?):上司や先輩から病院や健診会社を紹介してもらう
所謂、コネです。
これが、私たちが医学部卒業した当時の基本の探し方。今も脈々と続いています。
でもね、ちょっと考えれば分かると思いますが、医局では、本当に美味しいバイトは下っ端には回ってきません。
たまーに、上司や先輩の体調が悪いとか、転勤があったとかに例外的に回ってきて「世の中には、こんなに美味しいバイトがあるのか!」と驚愕するパターン。
医局で下っ端医師にお当番で振り分けられている半ば義務のバイトなんて、殆ど残りカスで、上司も先輩も行きたくないから存在するわけです。
しかし、比較的安全(難しい症例は来ない、たぶん)なところを紹介してもらえる(はず、)ので、それなりに有難い。。。の、かも、しれない(フォローしてみる)。
あと、先輩が定期で行ってる美味しいバイトの代行したら、ペイは先輩の銀行口座にってトラブルはとてもよくあります。ちゃんと給与が支払われる日には振込額を確認しましょう。
特に体育会系の二等兵体質の男性医師、貢ぎ体質の女性医師は注意しましょう。部活の尊敬できる(マジで?)先輩や、付き合ってる(のか?)先輩の代わりにバイトに行ったのに、バイト代は全て先輩の口座に入っていて、自分のところには1円も入らなかった、という恐ろしい話は枚挙にいとまがありません。ああ、考えただけで恐ろしい、ぶるぶる。
覇道(?):派遣会社に紹介してもらう
言わずと知れた、派遣会社に登録して紹介してもらう方法です。
でも、若い(と思われる)先生から、お問い合わせをいただいたので、情報量を絞って簡単に書いてみます。
オススメ派遣会社4+2つ
以下の4箇所はどれも私が実際に使っているところで、一時帰国の際の居住地(九州)の担当者と面談しています。心配はいりません、たぶん。
以下の2箇所は、九州の案件が少ないため、私は登録していませんが、関東や関西に住んでいる友人からの評判は良いので、上述4箇所と同様、基本的に心配いらないと思います。
正直、若い先生方が医局や先輩に頼らないとバイトが探せない理由がよく分からないんです。今の時代、バイト情報は、いくらでもネット上に転がっています。
どうやってバイトを探したらいいかわからない先生方、その、目の前にある箱はなんなの? こんなくだらないブログ読んでないで、医師派遣会社に登録しましょう。
でもね、もうね、おかげでね、昔は一時帰国の度に、個人的なつながりで、ひっそりもらえてた美味しいバイトが、日本にずっといるフリーター医師に渡ってしまったり、極端に美味しかったバイトが適正価格になってしまったり。。。市場原理万歳。。。(しょぼーん)
ドロッポ医師がこれ以上増えると、一時帰国時の私の美味しいバイトが減る!
医師派遣会社の歩き方について(Q&A)
派遣会社の存在は知っていても、登録したらどうなるか、意外とご存知ない先生方が多いのかもしれません。
Q:登録しても大丈夫? 面接とか担当者とかと会うのが不安なんだけど
A:以下の4+2社に関しては、問題ないといえます。4社の方は、私も実際に登録して九州地区の担当者には会っています。2社の方は、九州の案件が少ないので、登録はしていないものの、友人医師から聞く限り評判はよろしいです。
実際に使っているところ
使ってはいないが、友人から聞く限り評判の良いところ
Q:医師派遣会社の面接は、会社まで行くの? 時間ないんだけど
A:自宅近くや勤務している病院近くまで担当者が出向いてくれます。
あまりにも変な時間じゃない限り、ある程度時間にも融通をつけてくれます。
Q:登録したらしつこく勧誘の電話とかあるんじゃないの?
A:勧誘の電話はありません(きっぱり)。
ただし、「今日(明日)医者がいない! 助けて!」のEメールは、一時帰国中、2〜3回あります(昔はこれが電話でした)。ハウステンボスの予定が入ってない+2割増+タクシーOK(駅から遠い場合)なら受けてます。
Q:フリーター医ってそろそろ飽和してるんじゃないの?
A:いやー、実はそうなんですよ。ちょっといい案件だと早い者勝ちになってます。
そして、市場原理により、ジリジリと単価が下がってる。
さらに昔だったら、絶対にいなかったようなマトモな医者が、けっこうフリーター医やってるのも地味に堪える。
ほんっと、迷惑なんで、マトモな医師がドロッポしたくなるようなブラック病院は消えてほしい。
ただですね、飽和はしてるんだけど、もし、アナタがほどほどに感じいい人で、自分の実力相応のバイトを選んでいる限りは、たぶん、だいたい希望のスポット案件は全て取れます。
けっこうな数の「マトモな医者」がフリーターやってて、飽和状態とは言え、「ほどほどに感じのいい医者」は今の所、まだまだ少なく、「フリーター医師は使えない」と思われていることが多いからです。
Q:バイト先で気に入られた場合、直接契約もあり?
A:スポットなら「微妙」、定期なら「ダメ」、転職なら「ダメ、絶対」です。
スポットの場合
1つの病院や健診会社が、複数の派遣会社に登録するのが普通なので、派遣会社に義理立てしなくてもいいとは思うのですが、1回や2回バイトで行った程度で直接コンタクトとってくる病院や健診会社とは直接契約しない方が安全。派遣会社に支払うべきコストを払わず、医師を確保しようとしているわけだから。その時点で、微妙。
ただし、コストの節約というより、当該病院や健診会社と非常に相性がよく、「アナタだからきて欲しい」というケースもあり、この場合は、お互いハッピーになれる案件だったりします。
私の場合は、
- 2年以上、トラブルなく付き合いがあるスポットバイト先で
- 院長または会社の部長以上と直接知り合いで(バイト先で評判がいい場合、院長や部長が顔を見にきたり挨拶にきたりします)
- 知っている人が「私がカナダにいる間に」直接コンタクト取ってきた場合で
- 契約会社のリストに載っている条件より、良い条件でなら
直接契約を受けることもあります。それ以外はのらくくらりとかわしています。
定期の場合
スポットと同様、1つの病院や健診会社が、複数の派遣会社に登録するのが普通ですが、契約が発生した場合はとっても大きな額が派遣会社に支払われます。派遣会社もボランティアで医師の転職を斡旋を派遣しているわけではありません。
どんなに感じがいい病院や健診会社でも、個人的に、直接契約しようとコンタクト取ってきた時点でアウト。その病院や健診会社が派遣会社にとる態度は、将来のアナタにとる態度です。
転職の場合
スポットと同様、1つの病院や健診会社が、複数の派遣会社に登録するのが普通ですが、契約が発生した場合はかなり大きな額が派遣会社に支払われます。派遣会社もボランティアで医師の転職を斡旋しているわけではありません。
どんなに感じがいい病院や健診会社でも、個人的に、直接契約しようとコンタクト取ってきた時点で論外。その病院や健診会社は、おそらく超絶ブラック。そして、直接契約してしまった場合、アナタの逃げ道の幅が狭くなります。
医師派遣会社は、これらの交渉の際に(若干病院側に立ちながらですが)間に入ってくれますよ。
専門医持っていないのにバイトする場合は、「民間医局」経由で保険に入ろう
通常、常勤で勤務している病院で、医療訴訟が起こった場合は、その病院が入っている医師賠償責任保険でカバーされます。ところが、バイト先の病院でおこった訴訟は、カバーされません。
医師賠償責任保険は、日本眼科医会、日本外科学会、日本脳神経外科学会、日本神経学会、日本整形外科学会、日本胸部外科学会、日本循環器学会、日本消化器病学会、日本糖尿病学会、日本産科婦人科学会(他にもあるかも、ググってね)などの学会に加入している場合は、割引価格で保険加入できます。
が、何の学会にも加入していない真性フリーター医は民間医局経由で20%割引で保険加入できるので、入っておいた方がよいでしょう。ひとつひとつの医療行為にどんなに真摯に取り組んでも、何の過失もなくても(あるいは、通常なら問題にならないようなわずかな過失により)患者さんに思わぬ障害を与えてしまう恐れは、常につきまといます。特に寝不足気味でバイトに行くようなケースでは要注意。
たとえ、半ば強制的に行かされるお当番バイトでも、自分が勤務している病院以外での訴訟への備えは、自力でしておかないと、だれも保障してくれません。